hanzo’sミリタリースクール

元陸上自衛隊幹部が本物の軍事テクニックの原理原則をサバゲ向けに色々教えます!

コンバットスキル講座 「目の使い方」!

諸君、こんにちは!

 

注目!!課目「目の使い方」を実施する!

本日は本格派のサバゲーマーや自衛官(軍人)等を目指す諸君に、戦闘において重要な『目の使い方』について理解していってもらう!

 

普段、諸君は目の使い方を意識して行なっているであろうか?ほとんどの者が、目がいい悪い位に考えているのでは無いだろうか?

 

我々人間は、情報の9割を目から取り入れている。戦闘において、目は照準器でありレーダーであり、暗視装置のような物なのだ。

 

目は色々な機能を持っている。簡単に分類すると以下の通りになる。

 物の輪郭を見る。

 物の色彩・コントラストを見る。

 物の距離感を見る。

 物の動きを見る。

 

ここで理解しておいてもらいたい重要な事項が一点ある。それは目で見ているのは見たままではなく、眼から得た情報を脳で分析し、脳が理解したものを人は見たと思っているということだ。

 

脳は眼から得た情報を記憶にあるもの又は近いものから選び出し、その物体だと先回りして映像を作り出し(理解)ている。

狙撃手やスカウトマンが使用するカモフラージュテクニックは、人間のこの機能を逆利用したテクニックなのだ。

このように目自体の機能や能力を理解すると、いろんな技術が実際的なものになるのだ。

 

カモフラージュ(偽装)参考にひとつずつ説明していこう。

*ここでは偽装技術を詳しく説明しない、あくまで『見る』に着目して説明するものとする。

狙撃手

① 輪郭を見る。

  人や物を形を認識してそこにあると理解すること。

  人は頭から肩のラインが特に認識されやすい、偽装ネットを使用したり、草や枝等を取り付けて輪郭部分を不明瞭にする。銃に偽装をするのは、自然界に直線のものは無いため、銃は目に認識されやすいためである。

 

② 物の色彩・コントラストを見る。

  人や物の色彩やコントラスト注視して個体を認識して理解すること。性別や人相などである。

  カモフラージュでは自然界の色と人の肌の色は違いが大きく肌は光を反射し、目や鼻など目立つコントラストを作ってしまう。そのためドーラン、炭や泥等を使用して顔の色彩を目立たなくし、コントラストを消して、相手の脳に認識されないようにする。

 

③ 物の距離感を見る。

  人や物の距離を認識して理解すること。人は物の距離を見る際、見ている対象の大小、周りの環境との相対性、地形の認識により割り出している。

例で言えば、広く見通せる砂漠や草原では、実際より近く見える。当然、正確な距離を判断するには、ミル公式など別の知識や技術が必要になる。

 カモフラージュする際は、実際よりも大きくしたり、小さく見せることで相手の脳を誤魔化すことができる。

 

④ 物の動きを見る。

  人や物の動きを認識して理解すること。人は動きを黒目の中央部分ではなく黒目の周囲で認識している。武術等で動きに注目せず全体を見るというのはそのためである。

夏、部屋でテレビなどに注目している時にプ〜ンと飛んでいる蚊を見つけて、それを落とそうと蚊自体に目を向けると、途端に見失うというような経験をしたものも多いのでは無いだろうか。

 物の動きを認識したい場合は、何かに注目しながら、動きを認識するのが動きを見る際の重要なテクニックになる。

  この動きを見るというのは、偵察をする際や接敵する際にも非常に重要な物になる。

 カモフラージュの際は、人が動きを認識できることが出来ない速度で動くことにより、相手に動きを認識させないようにする。

 

 上記が目の特徴を理解して、軍事的に利用している内容だ。最低限上記のことを理解して既存のテクニックを見直すとより、実際的なテクニックとなるだろう。

 他に目が明るさや暗さに慣れる時間(明・暗順応)や射撃技術に必要な焦点(人は一つのものにしか焦点をつけられない)などもあり、目の近い方は多岐に及ぶ。

 

今回は目の使い方と題して、重要な目の4つの機能について書いてみた。

 

次回は目の機能を利用した射撃術について話してみようと思う。

 

では本日の講義は以上!解散!!

 

 

 

2つのスキルで変わるシューティングテクニック

サバイバルゲーマーの諸君、寒い中ゲーム楽しんでるかね〜!

 

注目!!

本日の課目は射撃術の講義である🖕

陸自豪州射撃 防衛省

 

まず、射撃術には大きな分類ではコンバットシューティングターゲットシューティングがある。

簡単に説明すると

コンバットシューティング(戦闘射撃術)

 個人及び集団での戦いを想定した射撃技術

  

ターゲットシューティング(射的術)

 オリンピックなど的を射撃し、点数や速度を競うための射撃術 

どちらも、理論(精神学・弾道学等)・姿勢・判断力・トリガー操作など様々な要素で構成されている。

 

サバゲーマーや軍人(自衛官)に必要なのはコンバットシューティングであるのは言うまでもない。

 

まぁ理論など細かく話していると、とんでもない時間がかかるので割愛して、今回は劇的に考え方が変わるとともに、より戦術的に射撃が出来るようになる2つのスキルについて話していこう。

私が現役初期の頃、陸自ではあまり本格的なコンバットシューティングは実施していなかった。私がコンバットシューティングを学んだのはイラクへの派遣からであったと思う。

当初、その考え方の違い(コンバットシューティングとターゲットシューティング)に驚かされたと同時に両者は本質的に全く違うことを理解した。

 

コンバットシューティングは我と敵との心理戦を骨幹として考えられていると言っても過言ではない。

おっと!テクニックではないのか?との声が聞こえてきそうだが、人と人とが戦う戦闘では心理戦が重要な要素なのだ。ターゲット射撃能力だけがどれだけ優れていても戦闘で役に立つことはまず無いだろう。

 

では諸君!いよいよ2つのスキル『正確照準と制圧射撃』とについて話していこう!

◯ 正確照準射撃(点射撃)

  敵に対し狙った部位に射撃し、敵を無力化するための射撃

 (正確さを重視

◯ 制圧射撃(面射撃)

  狙った地域や敵に対して、面で射撃をして敵の行動及び視界を制限する

 (速度と量を重視)。

 

サバゲーマーなら、なんとなくやっていると思うので理解し易いと思う。

この射撃は戦術上とても重要になってくる。

 

サバゲのチーム戦で考えれば敵を拘束するファイヤーチーム(制圧射撃)、敵を無力化するアタックチーム(正確照準射撃)のようなもので、個人スキルで言えば、モザンピークドリル(2ボディ1ヘッド)だ。2ボディ=制圧射撃で動きを止め、1ヘッド=正確照準射撃で止めをさす。

 

ここまで読んだ方はもう理解できたのでは無いかな。

全てのテクニックやスキルは目的や理論があり、それを具体化するとタクティカルスキルやタクティカルテクニックとなる。

前回の記事でタクティカル=戦術という言葉が一人歩きしているようだと言ったのはこのためである。

 

さぁ具体的に話していこう!

正確照準射撃=正確性  制圧射撃=迅速性と量 

正確性と迅速性は相反する要素で、初心者が迅速・正確に撃てば雑なだけで、ただ迅速に撃等とすれば雑になる。これを戦術的に融合した射撃術がタクティカルスキルのモザンビークドリルなのである。

 

せっかくなのでモザンビークドリルを題材に話していこうと思う。

前提として考え方をメインとするために、照準要領、トリガーコントロール、識別技術や継続射撃技術(弾倉交換)などは抜きとする。

 

モザンビークドリル

① 2ボディ(制圧射撃 → 敵の動きを拘束する。)

  敵に反撃の余地を与えないように迅速にカラダを射撃し、敵の動きを止める。この際、迅速性を重視し、正確性にはこだわらない。アーマーで弾が止まるのでは無いかと思うかもしれないが、想像よりも弾丸の物理エネルギーは大きく、肋骨を骨折するなど、敵の動きを止めるには十分なのだ。

 

② 1ヘッド(正確照準射撃 →  敵を無力化する。)

  動きの止まった敵の頭部(出来れば脳幹部)に正確に射撃して、敵を無力化する。この際、正確性を重視し、速度は求めない

 

上記で誤解無いように説明するが、上記は初歩レベルでの重視事項で、これが出来るようになれば、次の段階として2ボディは正確性(2発とも胸部等のバイタルゾーン)を求め、1ヘッドは迅速性を求める。米軍や自衛隊などの特殊部隊やエリート部隊がやっているのは、上級レベルなのだ。当初は迅速性と正確性を分けて学び、レベルが向上するにつれ、その相反する要素を融合していくといい。

 

諸君はこの『正確照準射撃と制圧射撃』の原理を理解してもらっただろうか、平たく言えば拘束と粉砕かな…この原理はチームタクティカルや個人のタクティカルスキルなど、あらゆる所で使われているので自分の技術やチームに応用していただければ、幸いだ。

 

本日は以上!!諸君の武運長久を祈る、解散!!  

      

サバゲーよく言うタクティカルって何?

こんにちはhanzoです。

まずはお断りとして、あくまで私的意見の範疇でブログを書いてますので、防衛省の見解や実際の自衛隊の活動等とは一切関係していません。

 

いきなりですが、サバゲーよく言うタクティカルって何なんでしょう?

 

タクティカルスキル、タクティカルペンやタクティカルライトetc

 

色々ありますね。

 

なんか商品名みたいな扱いになっています。

辞書で調べると「戦術的」という意味になっていますが、今ではほぼ軍用品はなんでもタクティカルとつければいいみたいな風潮ですね…

 

戦術的」まさにここに答えがあります。普通のライトでも戦術的な運用目的で使用すればそれはタクティカルライトと言えるでしょう。

 

隊員に指導する際は、

「このライトの戦術的な運用方法は〜」

「このMGの戦術的な運用方法は〜」のように使用していました。

 

戦術とは作戦または戦闘直接目標を,最も効果的に獲得することをねらいとして行われる方法的技術 ブリタニカ国際大百科事典

 

戦術的なと言うのは、「目標を直接的に達成するための方法的な」みたいな感じですね。(わかりにくい…笑)

 

戦略は戦術の上位に位置しています。

 

戦略的目的を達成するための直接行動要領が戦術とでも言いましょうか…戦略と戦術の関係とか言い出したら、何日かかることかわからないのでここは割愛しますね。

 

軍事行動は、組織的で戦術性のない行動はしませんから、戦術的行動と言うのは組織的行動とほぼ同義語のような感じです。

なので、雑誌等で見る個人技やライトやナイフなどのタクティカルの使用方法に違和感を感じてしまうのです。

 

 例えば、弾倉(マガジン)の交換などが、タクティカルスキルとされるのは、あくまで2人以上のチームで組織的(あえて組織的と言いますね)に行動する際の、火力を継続発揮するための方法なので「タクティカルスキル」になるのです。だから、動作だけではなく、弾倉交換時の「敵の位置」、「弾倉交換の発声」、「了解した味方の発声」、「見方の援護射撃」、「交換時の動作」、「終了時の発声」、「見方の発声」等がセットとなって初めてタクティカルスキルとなります。

へ!やること多くね!?とか声が聞こえてきそうです。笑笑

でもちゃんとここまでやるだけでも映画の特殊部隊の銃撃シーンみたいなことが出来る様になりますよ(^ ^)

 

なので個人単一のタクティカルスキルは存在せず、部隊・チームとしてどう組織的(戦術的)に行動するかによって、特殊部隊等では個人のタクティカルスキルは常に変化しています。

 

今はほぼ個人戦のようなサバゲーが多いですが、もっと組織的なチームプレイを行うようになれば、皆さん独自のタクティカルスキルが出来てくるかもしれませんね。

ではまた(^^)/~~~